室内での限られた空間で、日照が無いため、人工植物を用い、水漏れをせずにシシオドシを施し作庭する事にしました。
丸窓の左右位置は、黄金比と言われている「1：1.1618」に配置しました。
・照明を入れる事で、実際外に空間があるように演出し、調光が出来、お好みの光量を楽しんで頂けます。
・上下は丸窓が丸見えにならず、下部がすこし隠れるようにしました。
・竹の素材は、黒竹を用いて、染では出せない落ち着きのある色合いを使用しました。
間接照明は上だけで無く、階段下の斜め部も活用することで、庭の広がりを演出しました。
蹲【つくばい】は御影石の自然石を加工した物に、エイジング加工を施して時の経過をだしています。
川には、生野石・黒栗石・小松島石・木目石などを用いて、川の源流に近い場所を演出しました。
景石は生野石をメインにバランスを考え、落ち着く場所に配置しました。
山の砂利には、数種類を混ぜる事で、深みと落ち着きのある山に仕上げました。
海の砂利には、明るく・清潔感のある白玉石を採用しています。
人工植物はモミジを主木として、ツバキやナンテン・センリョウ・トクサ等色んな種類をバランスよく配置しました。
階段下の飛び地にもアクセントを入れる事で、庭の広がりを演出しています。
蹲と踏み石の間にある、ライン状の苔は近づいて見ても限りなくリアルな苔を使用しています。
蘭渓の灯篭は、風合いを出すのに100年くらいの経年劣化をエイジング加工にて演出ししています。
・火袋には、ワーロン紙というプラスチック製の和紙を使い、照明にはLED で熱対策にも寄与しています。
・蘭渓灯籠は現在製造しているところが少なく、在庫もほとんどない状態です。
和歌山の業者より最後の一つを入手しました。
シシオドシは、通常床柱や鴨井などに使用する天然竹材、角竹の図面模様（上等ですね）を用いています。
水が出てくる筧【かけひ】には、鶴の口ばしの様な形の【ツル】を採用する事で、長い筧でも自然に溶け込めるようにしました。
・筧には、丸竹の図面模様を使っています。
・『図面模様』とは、竹に硫酸・硝酸を混ぜた液に土や砥の粉などを塗って、模様を付けます。（集合体恐怖症の人は製造過程を見ない方が良いです）
竹垣は、竜安寺垣の形で、細目を採用する事で、限られた空間でも最大の良さを伝えられる様にしました。
巻き石は、坪庭とフロアの境界にスッキリした延石を使用しました。
踏み石2枚は希少価値のある丹波石を用いて自然のアプローチを演出しています。
・丹波石は現在もう採掘していないので、現存する石材しか入手できません。
土壁には、既製品の細かい【スサ】に、大きい粗目のスサを混ぜる事で、より一層本物の土壁に近い仕上りにしました。
・３カ所に本物の植物を押さえて、隠し模様を入れています。（隠れミッキーの様な 笑))）
